IRALOG | ランキング | コミック | 検索
新規登録/ログイン
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:147 hit

コンサート・ツアー (6月2日 18時)

航海と呼ばれるにふさわしかった。あるいは巡礼。昔の曲に新しい生命が吹きこまれ、ラブ・ロマンスが息を吹き返し、神話は復活した。世界中が驚き、そして興奮したわ。憶えているよね。でも、あれだけ話題になりながら、あのツアーがいつ、どこで終わったのかは、当事者を除いて、あまりはっきりとしていないの。いつ始まったかはみんな知っているのに。
 それは錬金術士をチーム・リーダーに、魔王を顧問に迎え、魔術士、暗殺者、説教師、花嫁、詩人、恋人、教師、トラック運転手、呪術師、巡礼者、奇術師、王皇帝、聖者、漁師、悪魔、漂流者、魔女、使者、拳銃使い、誰でもない人、ボクサー、牧師、予言者、女王、盗人、神官、カウボーイ、白痴というメンバーで構成された旅だったの。
 彼らはまず、建国の、一番最初の土地に向かった。もちろんそこが今どうなっているのかは承知の上だった。彼らは、もうそこがだめになってしまっていることを確認するために、そこに行ったようなものだった。でも、それでも、彼らはそこに行って、そしてそこから始めなくてはいけなかったの。彼らの公式のドキュメントはこう記しているわ。「いたるところで歴史の模型が売られている。街の人々は衣装を着け、旗がなびく。過去が現在を丸のみにしている。この中で、ぼくたちもまた何かを探している。何かつながりを見つけようと。道中で何か標識を見つけようと。……ぼくたちはすべてのものの中に自分たちを探している。ぼくたちの止まるすべての場所の中に。移動しているときにさえも。自分たちを地図のなかに位置づけようとして。空間と時間の中に。……過去は、今、逃げていくこの瞬間なのだ」

このブログの最新エントリ

ネクタイ
2014/7/2 0:27

別に何の感じもない
2014/7/2 0:24

鉄の棒を曲げる
2014/7/1 21:23

立看板
2014/7/1 21:22