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同じ病院で (2月3日 11時)

院長によって痔瘻の手術をした時の話などした。その時博士は独逸から帰ったばかりであった。そうしているうちに、博士が自分に好意をもつと同時に、淫らな葉子の熱病にも適当な診察が下されるであろうことも想像できるように思えた。何よりも博士には高い名誉と地位があった。彼は貴いあたりから差し廻される馬車にも、時には納まる身分であった。
 しかし無反省な愛執に目を蔽われた庸三にも、この怖じ気もない葉子の悪戯には、目を蔽っているわけには行かなかった。彼は少し興奮していた。そして彼への原稿の依頼をかねて、葉子にも何か短いものをと、記者が話し出した時にいきなり侮辱の言葉を浴びせた。
「こんなものに何が書けるものか。」
「いや、しかし先生の目が通れば……。」
「僕は御免ですよ。」

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