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朝になっても (2月18日 13時)
体中が脹れふさがっているような痛みを感じて、お島はうんうん唸りながら、寝床を離れずにいるような事が多かった。そして朝方までいらいらしい神経の興奮しきっている男を、心から憎く浅猿しく思った。
「こんな事をしちゃいられない」
お島は註文を聞きに廻るべき顧客先のあることに気づくと、寝床を跳おきて、身じまいに取かかろうとしたが、男は悪闘に疲れたものか何ぞのように、裁板の前に薄ぼんやりした顔をして、夢幻のような目を目眩しい日光に瞑っていた。
「それじゃ私が旦那に一人、好いのをお世話しましょうか」
上さんは、笑談らしく妾の周旋を頼んだりする小野田に言うのであったが、お島はやっぱりそれを聞流してはいられなかった。
「そうすればお上さんもお勤めがなくて楽でしょう」