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電車の窓から (1月23日 21時)

電車の窓から外を見て、長々と欠伸でもしながら……あの紳士の横ッ面を引っ叩いたらドンナ顔をするだろう……この町に風上から火を放けて、火の海にして終ったらドンナに綺麗だろう。あの群集を撫で斬りにしたらドンナに痛快だろう。あの瀬戸物屋にダイナマイトをブチ込んだら……あの巡査の向う脛をタタキ折ったら……あの金魚屋の金魚を電車通りにブチ撒けたら……あんなお嬢さんを妾にしたら……あの銀行の金庫をポケットに入れたら……なぞいう、飛んでもない光景を、その人間の鼻の鼻の先で描いている。そうしてハッと気が付いては、独りで赤面したりしている。
 これはみんな、自分の先祖代々の連中が、やってみたくて堪まらないままに、ジッと我慢して来た残忍性、争闘性、野獣性、又は変態心理なんどの面々が、入れ代り立ち代り現代式の姿で、吾々の意識の中に立ち現われているので、そんな事はないなぞいうのは、内省力のない石頭か、あっても忘れている低能連中に過ぎない。

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