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ROSAGAME青寮 (3月16日 14時)
『またか・・・。』
コメ蘭にて、小説書きます。
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コメント一覧
午前中の授業も終わり、今は昼休みだ。
図書室へ訪れたシフォンを待ち構えていたのは、しんみりとした静寂。
薔薇を探すことより、読書が好きな生徒が数名居る。
ページを捲り、紙と紙が擦れ合う音が小さく響いていた。
本棚へ足を進め、適当に目に留まった本を手に取る。
本の題名は「孤独」。
『・・・。』
シフォンは黙ってそれを本棚へ戻した。
別の本棚へ移動し、ホラー物の小説を手に取った。
それは最近出版された新作で、シフォンの大好きな作者が書いたものだった。
自然と緩む口元。きっとだらしない顔をしているに違いない。
そのまま近くの席に座り、読み始める。
独特な世界観。子供の無邪気な狂気。大人の本心。
それは短編集のようなものだった。
どの話も、読んでいくうちに引き込まれていくような感じがした。
もう少しで読み終わる。次のページを捲った途端、溜め息が零れた。
青い薔薇のしおり。シンプルなデザインのそれは、可愛らしいものだった。
こんな所にもあったのか。
しおりを手に取り、それを見つめる。
本物の薔薇が使われているのだろう。
嫌いではなない香りが、妙に鼻につく。
青い薔薇が、哀れんだように此方を見上げる。
『余計なお世話だよ。』
無意識に零れたそれに、バッと両手で口を塞いだ。
周りに目を向けると、誰も気にした様子も無くそのまま読書を続けている。
というより、シフォン自体を気にしていないかのような
彼の存在を捕らえてすらいないような、そんな静寂。
もう一度、溜め息を零した。
今度は深く、長く、熱い溜め息。
周りを見なくてもわかる。
どうせ此方を見てはいないのだ。
手の内の青い薔薇が、小さく笑った気がした。
馬鹿にしたような、哀れんだような、そんな物ではない。
シフォンは弱く、唇を噛み締めた。
END
mari0922 - 2013/03/16 10:28:37 |違反報告
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こんな奴でも良ければ・・・誰か・・・。
mari0922 - 2013/03/16 10:29:03 |違反報告
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友達希望してよろしいでしょうか^//^
onepoke - 2013/03/16 17:57:42 |違反報告
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