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エリンの記憶 (10月5日 3時)


『――では次のニュースです。先日未明、キャンプ場で起きた火事で二人が死亡一人が重体となった事件について、警察は、付近でキャンプをしていた二十代前後の若者の火の不始末が原因と見て調査を進めています。周辺の目撃情報によれば、花火や煙草をそのまま茂みに捨てている姿などが目撃されており――』


「皆も知っての通り、エリンくんの家族は先日の大火事に巻き込まれて亡くなってしまった。エリンくんはしばらく病院で過ごしてから親戚の家に引き取られるらしい、おそらくもうこの学校には来ないと思うが、仲のよかった友達はどうか、エリンくんを励ましてやってくれ」


「エリン、いいか、よく聞くんだ。父さんは今から母さんの様子を見に行くからエリンはここから絶対に動くんじゃない。何が見えても、何が聞こえても、絶対にこの湖から離れるな。危なくなったら水に飛び込むんだ。いいね?エリン、よし、うーがいるから大丈夫だな、すぐに戻ってくるからここで待っておいで」

 建物の崩れる音と、巨大な獣のようなおぞましい叫び声が聞こえてくる。

「おとうさん、……おかあさん、……おにいさん…………」

作品のタグ:殺人鬼ヒーロー企画

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【およそ7年前のできごと】

 エリンの父親は、酒と女とギャンブルに明け暮れるろくでなしの男であった。
 仕事もろくにしないぐうたれの父親だったが、祖父の遺産があったため今すぐに路頭に迷うということはなかった。それでも家計は決して楽ではなく、母と兄と共に健気で質素な生活を続けていた。なぜこんな父親を選んだのかと母に問いかけたこともあったが、母はか弱く笑うだけで答えてはくれなかった。
 その日は兄の誕生日で久しぶりに家族四人で出かけることになり、兄はプレゼントとしてもらった銃の使い方を父に教わり狩りを楽しんでいた。食事も終えて満点の星空を楽しみ、ゆっくりと眠りに付いていたところ、エリンはふと違和感を感じて目を覚ました。
 窓の外に火が見える。何かがこげるような臭いと息苦しさを感じてエリンは慌てて両親をゆすり起こすが、兄の姿が見当たらない。母は兄を探しにいくと言い、父はエリンを連れて外へと駆け出した。
「エリン、いいか、よく聞くんだ――」
 それは少女が見た父親の、最初で最後の父親らしい姿だった。

神月アリス - 2013/10/05 04:24:18 違反報告 -



っていう各キャラクターのエピソードをそれぞれまとめていこうと思ったんですね。眠いです。
エリンのエピソードなんてよゆうで二人分の効果があるじゃん……
神月アリス - 2013/10/05 04:24:33 違反報告 -

(エリン・オルコット、当時7歳)

「えりん、学校のみんなで折り紙を折ったの。はやくげんきになってね」
「…………」
「エリンくん……家族がいなくなってつらいとは思うが、これはわたしたちみんなの気持ちなんだ。
 どうか受け取ってやってくれ」
「…………」 無言で手を差し出すエリン。
「ありがとう。……わたしたちの声が、祈りが、届いていることを願うよ。――すまない」

―――――
(クレア・オルコット、当時13歳 数週間意識不明の重体)
「(寒気がする……嫌な感じだ……僕今頃死んだことにされてるんだろうな……体が動かない……死んだのかな……)」
神月アリス - 2013/10/05 04:35:32 違反報告 -

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