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【三】「さぁ (9月24日 21時)

はやく帰っておやつにいたしましょ。」



「琴弧」
「は、はいっ」
「うちのお話に少し付き合ってくださいますよね?」
「も、もちろんで、す!」
「ふふ。妖狐が人間に恋をしたという。遠い昔のお話をね」



ついつい、色を忘れてしまう癖が、、;


作品のタグ:狐面企画, ハロパ

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2018/7/30 12:49

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2017/8/18 22:22


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ほのかに甘い匂いを漂わせる
カップに注がれている中身に目を落とす。
その直後に
隣に腰を下ろす彼女に視線をあわせる。

「あ、あのっ。ケーキを持ってきました!」
「ご苦労様」

てんぱりながらケーキの
のったお皿をうち自身の目の前にそろそろと差し出す

微笑を浮かべながら
彼女にお礼を言うと

頬を赤く染めながら俯いた。

可愛らしいわね
なんて、追求するともっと縮こまってしまった。


「そ、れで。お仕事に行く前おっしゃっていたお話、とは、、?」
秋風が吹きながら
少女の深緑の髪の毛を揺らす。

「あら。そのお話でしたわね」


興味しんしんという表情で
こちらを向いてくる少女に

もったいぶるかのように少し間をあける、自分。




――ふふふ。
遠い遠い、昔の話。

とある晴れた日
そう、綺麗な空模様の広がる日。


人と妖狐は恋に落ちた。


人を好きになるなんておろかな妖狐。
妖狐を好きになるなんておかしな人。


だと、思いませんこと?

2人はまわりの反対をおしきり結ばれる。
その結果――、




「――あら。」
「ご主人、さ、ま?」

ぼんやりと空を眺めながら
口を開いていると

いきなり、言葉を濁す。
そして記憶の片隅においておいた思い出にふたをし


「懐かしいことを思い出しちゃったわ」

少女に笑顔を向けた。




「何年も過ごしているのにどうしても忘れなれないのよ。この話は」

そう呟き
目の前のチーズケーキを口に運んだ。


そんな自分の姿にハテナを浮かべながらこちらを向く少女に
また、笑みが零れ落ちた。

砂時計 - 2013/09/24 22:34:37 違反報告 -

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