嗚呼 またこの夢だ
またあの日が 俺の頭の中をかけまわる
暇 2014/10/18 18:09
練習 2014/10/18 16:44
練習 2014/10/18 16:43
全身図 2014/9/28 19:39
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月「あっ・・・・・、」
「きひひひひ、みぃーつけたっ」
目の前には楽しそうに奇妙にかおを歪めた女 手にはデカイ包丁
俺はこの日初めて壊れた死神を見た
ートスン・・・
足に力が入らなくなり、ずるずると地べたに尻を着く
目の前には黒い狂ったモノ
怖かった この時俺はまだ7歳だった
声が出したくても きゅぅきゅうと音を立てるだけでいくら出そうとしても声がでない
頭は真っ白 俺には恐怖しかなかった
「魂・・・・幼い純血の魂、きひ・・・きひひひひひ」
怖い
怖い怖い怖い怖い
そればかりが頭をかける
ずるずるとこっちに来る死神
すでに腰は抜けていた
あぁ・・・・あの時アイツの言うことを聞いていれば その手を握っていたら
後悔がじわじわと湧き上がる でももうそんなの遅いんだろうな
「きひひひひ、魂・・・・頂戴っ?」
女が包丁を上に上げる
女のかおがにやりと楽しそうに崩れる
月「っ・・・・た、・けて・・・。」
月「たす・・・けてっ・・・・夜・・・宵っ!」
女の手がぐわっとこちらに下ろす
ああ・・・俺 死ぬんだ
諦めかけたからだが唐突に横に弾き飛ばされる
月「え・・・・」
目を見開いたそこには 俺じゃない 大切な人が赤く染まっていた
かおに赤いモノが飛ぶ
鉄くさい独特なにおいが鼻をつく
目の前には そっきまで居なかった大切な奴
でもソイツは赤く染まっていて いつもの笑顔はなくて
月「・・夜・・宵・・・?」
死神は夜宵の武器 鎖の付いたおおがま
その鎖でからだを強く締め付けられている
でもそのカレのかお半分は赤く染まっていて苦しそうに眉を寄せていた
「兄貴・・・怪我・・ない・・?」
月「夜、宵・・・っ」
自分より 俺の心配するなんて
夜「ん?・・ああ、大丈夫・・・」
月「大丈夫じゃないよ・・・・・・・・・だって・・・・・目が・・・
目がないよ・・・・っ、・・」
だって 死神の包丁に 俺の大好きな綺麗なはずの藍色の眼球がささってるんだもん
今は 赤く染まっていて藍色もなにもない
きっと俺をかばった時に女の攻撃で そうかんがえるとじわりと目に涙が溜まった
泣きたいのは夜宵なのに
大丈夫、そうやって笑ってても俺にはわかるよ だって
かなしいとき、つらい時、我慢してる時、泣きたい時、自分のかんじょうを抑える時はかならずきつく下唇をかむ癖があるから
夜「泣くな・・・大丈夫だから、兄貴なんだからしっかりしてよ・・・」
そうやって笑ってても
きつく結ばれた下唇に俺はまた泣きそうになった
ふらっと立った夜宵の目からは止まることのない血が出ていて。顔色も悪い
あぁ・・・俺のせいだ・・・・俺のせいで
夜「兄貴・・・・どうせ自分を責めてるんでしょ・・・大丈夫だから、終わらせて。早くかえろう?」
月「・・・うんっ」
この時 油断しすぎたんだ 夜宵が来てくれたって 浮き足立ってたから
こっちを向いた夜宵の後ろの女の口が怪しく上がったのが見えた・・・・
危ない そう思ったけどオソカッタ
静かな夜に鈍い音がなる
夜「・・・・・・・・っ、かはっ!・・」
月「っ!!」
夜宵の腹にあの包丁がぐさりと突き刺さっていた
夜宵と目が合う
ただ静かに目が合う けど夜宵が下にずり落ちる
倒れた夜宵の周りが赤い染みを作っていく
俺は 状況がつかめなかった
でも女が笑っている それはこいつがやったから それは脳では分かってた
でもこの状況に俺はついていけなかった
けど夜宵の呻き声でやっと頭が理解する
月「夜宵っ!!!」
倒れた夜宵の元にかけて膝をついて触れる
夜「兄・・・貴っ・・・」
ぬるっと手に生暖かいものが付着する
手は真っ赤 夜宵の腹がだんだん赤が広がる
助けられなかった 助けられたのに 俺はっ
月「どうしようっ、血が・・・血が止まんないよっ・・・どうしよっ」
無意味なのに 出続ける傷口を手で押さえてただどうすることもできない自分
なんで 大切なやつ一人も守れないんだっ