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ROSAGAME青寮 (3月17日 16時)
「・・・zzZ」
コメ蘭にて小説です。
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コメント一覧
植物の清楚な香りに混じって、ふんわりとした高貴な薔薇の香り。
中庭へ来た心理は、柔らかい芝生を踏んで感触を楽しんでいた。
周りを見渡すと、生徒は少なかった。
皆、別の場所へ移動したらしい。
薔薇は殆どと言っていいほど見当たらなかった。
奥へ進んでいくと、もう既に人の気配は無くなっていた。
キョロ、キョロ、と視線だけを動かしてみても緑ばかり。
此処は諦めようか。そう思い踵を返した途端、見つけた。
青い薔薇。それはぽつん、と寂しそうに一つだけ咲いていた。
手を伸ばし、それを摘み取る。
やはりいつ見ても綺麗だ。
小さく口元が緩むのがわかった。
さて、此処にもう用は無い。帰ろう。
来た道を引き返そうとして、しくじった。
人生初かもしれない。最悪だ。
シフォンは石に躓き、転んでしまうという失態を犯したのだ。
どすん、と音を立てながらシフォンは転んだ。
グッと肺から息が吐き出される。
『っぐぇ・・・!』
我ながらに変な声が出たと思う。
蛙を押しつぶしたような、鶏の首を絞めたような、そんな声。
植物の香りが、鬱陶しいくらいに強く広がった。
『・・・。』
ゴロリと身体を動かし、仰向けになる。
最初に目に飛び込んできたのは、淡い湖の上を駆け巡る羊達の群れ。
そのうち数匹が落ちてきそうで、面白くも不思議で当たり前な光景。
・・・不自然な表現だと思った。雲が落ちてくる訳が無い。
手を伸ばしてみるが、羊達に届く訳も無く、虚しいだけであった。
痺れてきたので、そのまま手を下ろす。
眠い。疲れた。
そんな気持ちが一気に押し寄せてくる。
もうすぐ休み時間は終わる。
授業をこのままサボる事にした。
先生に補習を受けさせられるのだろうが、そんなもの、睡魔の前では
どうでも良い事のように思えた。
ゆっくり瞼を下ろす。
羊達が最後に、"おやすみ"と言った気がした。
『・・・おやすみ。』
END
mari0922 - 2013/03/17 16:00:33 |違反報告
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コメント失礼します・・・!
て、天使だと思ったら本当に天使でした・・・!!//////本当に可愛くて・・・うわああ・・/////素敵です!寝顔ご馳走様です!
ショータ - 2013/03/17 16:22:01 |違反報告
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あはは^^有難うございます!
そう言ってもらえて嬉しいです。
mari0922 - 2013/03/17 16:22:42 |違反報告
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