蒼流　抗争 - よしまるあっとっと

「母さん・・・・俺、どうしよう・・・」

俺は、今母親の墓の前にいる。
歪な形の石が置かれているだけの簡易的でかつ雑な墓だ。
これは、蒼流の皆が俺と俺の母親の為に作ってくれた墓だ。

９歳の時俺は、目の前に母親を殺された。
俺に父親ま居なかったし、姉も弟も居なかった。
祖父母は居たんだろうけど、俺は知らない。
だから、母親が唯一の家族だった。
俺は１人になった。
何日程街を彷徨っていたか、解らない。
ただ、ずっとなにも口にできず生き倒れしたところは覚えている。
その時、蒼流のグループに保護された。

ずっと世話になってきた。
もう、９年近く世話になってる。
だからこそ、今回の抗争に悩んでいるんだ。

今回の抗争は、最後だと聞いた。
なんでもあの金をばらまいていた紗奈が、自殺するとか。
正直、自殺する事に対して気に食わないところもある。
だが、俺の悩みはそこじゃない。
今回の抗争、場合によって・・・否、確実に少なくとも誰か１人は死ぬ。
俺は、それが嫌だ。
蒼流には助けられた礼もあるし、正直俺は殺し合いなんかしたくない。
だからと言って、抗争に参加しない訳にはいかない。
参加しないってことは、蒼流を裏切ることになる・・・・
そんなこと出来ない。

だから、俺は悩んでいるんだ・・・・
どうすれば、この抗争を止めることができるか・・・・
止めることはできなくても、どうすれば皆が考え直してくれるか・・・・

俺は、何もすることができないのかもしれない・・・無力なのかもしれない・・・
だけど、この抗争は止めたい・・・・・

あ、そうだ・・・・紗奈の自殺を止めれば終わるのかもしれない・・・・
だけど、もしかしたらもう自殺してしまってるのかもしれない。
もしかしたら、止めても抗争は終わらないのかもしれない・・・・

俺は・・・・どうすればいいんだ・・・・・・？