本日が最終日です。ウオオオオやばい。忘れてた。即興で小説書きましたので、そちらをご覧ください...
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nyu 2021/1/3 17:51
秋 2020/9/4 16:52
☆ 2020/7/27 23:05
み 2020/5/18 14:54
「第一イベント」 side真葉
皐月さんから、LINEが届いた。 『リーダーたちが仲直りするらしいんだけど、なんか、みんな乗り気じゃないみたいだ から説得してあげて!!』 仲直り?そうだったな、あの人たちは仲たがいをしてグループを組むことにしていたな。 僕には関係ないけれど、皐月さんが言ってることだし、洋一さんに話をしてみよう。
バイトを終えた古書店のドアを開く。店主が留守だったので、鍵をかけ古書店を後にした。 向かう先は洋一さんの家。曇っていた空から、少しだけ日が差し始めた。天使のはしごを見上げ一歩歩き出した。
ピンポーン 玄関にあるインターホンを押す。すると中から浅葱の方たちがわらわらと出てきた。「おっ!!真葉おにーさん!!やっほー」「真葉さん。こんにちはー!!!」フィズさんに、ひじりさん、奥を覗くと灯さんも見えた。 快く歓迎してくれるのはいいことなのだが、今日の用事はみんなで遊ぶことではない。 わちゃわちゃうるさい人たちの波を掻い潜ると、そこには柊彩さんがいた。今日はいつにもまして人が多い。 「今日、うるさいですよね」 「そうですね。でも、元気なことはいいことです」 立ち止まって言葉を交わしていると、いち早く洋一さんと話をしないと、という心のうちがばれたのか、柊彩さんは首をかしげてこう言った。 「真葉さん、なんか、急いでます?」 「はい、洋一さんに用事がありまして...」 「やっぱり、リーダーなら、あっちの部屋、です」 「ありがとうございます」 軽く会釈をする。 柊彩さんが指を差した方向に進むと、ふすまで仕切られた場所に出た。ここは洋一さんの部屋だ。 「洋一さん、いらっしゃいますか」 ふすまに向かって一言つぶやく。返事を待たないままふすまの穴に手をかけ、開けようとすると、何か、重い力であけられなかった。 何かがつっかえているわけではないようだ、ありったけの力を振り絞ると、がたっとふすまが少し開いた。やはり、洋一さんが中から閉めていたらしい。 子供のように遊ぶのは好きではないので、手を離す。 すると勢いよくふすまは閉まった。 「洋一さん、お話があるのですが」 あまり話したことがないので、少し緊張を隠せない。どんな人なんだろうか。(リーダーがどんな人かもわからずに入った自分が恥ずかしい) 「なんや」 ぼそっとつぶやかれた声は、関西弁でとても特徴的だった。 「あの、どうして浅葱というグループをお創りになられたのでしょうか...」 仲直りの説得と勘付かれないよう、入った誰もが思いつくような疑問を問いかける。 相手の反応がふすま越しではわからないので、催促しようもない答えをじっと待つ。 「そうやな、なんでつくったんやろ、周りがつくったから?」 「周り...とは?」 「ほかのグループのリーダー達や」 この話から察するに、リーダー達は昔からの友人のようだ。そういえば、皐月さんも話していたな。 「ほかのグループが創られていくのを見て、どう思われましたか?」 ここに、きっと、グループをつくった理由がある。そう踏んで問うてみた。 「なんでそんなこと言わなあかんのや」 予想的中。多分口を割らないとは思っていた。思うだけで、どうやって聞き出そうかとか考えていなかった。 「え、っと...浅葱の一員、洋一さんの友達(?)だからです」 口から出たのは理由になるかわからない、自分らしくない言葉だった。 一員だからといって、話すような内容ではない。とても不自然だ。 「そうか、友達、か」 もうばれてしまうかなと思った瞬間だった。 洋一さんは口を開いた。 「昔、けんかしたんや。ほんまに小さなことから、けんかや言うほど小さなもんやない けど。それをさかいに俺たちはばらばらになってしもうて...。それから、なんか知 らんけどつくった。まねしたんとちゃうからな」 少しさびしそうに、そして笑い混じり洋一さんは話す。 これを聞いて、黙ったままではいられなかった。 「洋一さん。僕は、誰かの代わりでここにいるのはいやです。洋一さんのお友達として、 誰の代わりでもない、洋一さんを支えることができる人としてここにいたいです」 この想像は、きっと図星だ。だって、洋一さんが昔の友人のポジションに僕たちを当てはめてるということだから。 相手の心のうちを分かったように僕は話すけれど、洋一さんは黙ったままだ。 まずかったのだろうか、言ってしまっては。それとも、僕の想像は本当に想像で、違う理由でグループをつくったのだろうか。 重い沈黙がふすま越しに伝わってくる。 「ふっ...、やっと分かったわ」 ふすまを勢いよくあけると、洋一さんは笑って言った。 わけもわからず「はぁ...?」と頷く僕は、いかにも滑稽な顔をしているだろう。 用事も済んだので、みなさんに挨拶しようと、居間へ向かった。 廊下を進むにつれ笑い声やがやがやと騒ぎ立てる音がする。 ふすまを開けようとすると、 「!?真葉さん。リーダーと話、できました?」 驚いた様子で柊彩さんがいた。どうやら内側からも開けようとしていたらしい。 「ところで、先ほどから不思議に思っていたのですが、柊彩さんはどうして僕の用事が 洋一さんと話をすることだと分かったんですか?」 疑問を投げかけると、柊彩さんは少しがらにもないもじもじした様子で答えた。 「え、っと、みんな、皐月さんのLINE、見たみたいで、それで、説得、しようと...」 「だからこんなに...」 「はい。多分...」 居間を見渡しながら話すと、やっと洋一さんの笑いが理解できた気がする。
あんなに遠まわしに話さなくても、ど直球でよかったんだ...?
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「第一イベント」 side真葉
皐月さんから、LINEが届いた。
『リーダーたちが仲直りするらしいんだけど、なんか、みんな乗り気じゃないみたいだ から説得してあげて!!』
仲直り?そうだったな、あの人たちは仲たがいをしてグループを組むことにしていたな。
僕には関係ないけれど、皐月さんが言ってることだし、洋一さんに話をしてみよう。
バイトを終えた古書店のドアを開く。店主が留守だったので、鍵をかけ古書店を後にした。
向かう先は洋一さんの家。曇っていた空から、少しだけ日が差し始めた。天使のはしごを見上げ一歩歩き出した。
ピンポーン
玄関にあるインターホンを押す。すると中から浅葱の方たちがわらわらと出てきた。
「おっ!!真葉おにーさん!!やっほー」
「真葉さん。こんにちはー!!!」
フィズさんに、ひじりさん、奥を覗くと灯さんも見えた。
快く歓迎してくれるのはいいことなのだが、今日の用事はみんなで遊ぶことではない。
わちゃわちゃうるさい人たちの波を掻い潜ると、そこには柊彩さんがいた。今日はいつにもまして人が多い。
「今日、うるさいですよね」
「そうですね。でも、元気なことはいいことです」
立ち止まって言葉を交わしていると、いち早く洋一さんと話をしないと、という心のうちがばれたのか、柊彩さんは首をかしげてこう言った。
「真葉さん、なんか、急いでます?」
「はい、洋一さんに用事がありまして...」
「やっぱり、リーダーなら、あっちの部屋、です」
「ありがとうございます」
軽く会釈をする。
柊彩さんが指を差した方向に進むと、ふすまで仕切られた場所に出た。ここは洋一さんの部屋だ。
「洋一さん、いらっしゃいますか」
ふすまに向かって一言つぶやく。返事を待たないままふすまの穴に手をかけ、開けようとすると、何か、重い力であけられなかった。
何かがつっかえているわけではないようだ、ありったけの力を振り絞ると、がたっとふすまが少し開いた。やはり、洋一さんが中から閉めていたらしい。
子供のように遊ぶのは好きではないので、手を離す。
すると勢いよくふすまは閉まった。
「洋一さん、お話があるのですが」
あまり話したことがないので、少し緊張を隠せない。どんな人なんだろうか。(リーダーがどんな人かもわからずに入った自分が恥ずかしい)
「なんや」
ぼそっとつぶやかれた声は、関西弁でとても特徴的だった。
「あの、どうして浅葱というグループをお創りになられたのでしょうか...」
仲直りの説得と勘付かれないよう、入った誰もが思いつくような疑問を問いかける。
相手の反応がふすま越しではわからないので、催促しようもない答えをじっと待つ。
「そうやな、なんでつくったんやろ、周りがつくったから?」
「周り...とは?」
「ほかのグループのリーダー達や」
この話から察するに、リーダー達は昔からの友人のようだ。そういえば、皐月さんも話していたな。
「ほかのグループが創られていくのを見て、どう思われましたか?」
ここに、きっと、グループをつくった理由がある。そう踏んで問うてみた。
「なんでそんなこと言わなあかんのや」
予想的中。多分口を割らないとは思っていた。思うだけで、どうやって聞き出そうかとか考えていなかった。
「え、っと...浅葱の一員、洋一さんの友達(?)だからです」
口から出たのは理由になるかわからない、自分らしくない言葉だった。
一員だからといって、話すような内容ではない。とても不自然だ。
「そうか、友達、か」
もうばれてしまうかなと思った瞬間だった。
洋一さんは口を開いた。
「昔、けんかしたんや。ほんまに小さなことから、けんかや言うほど小さなもんやない けど。それをさかいに俺たちはばらばらになってしもうて...。それから、なんか知 らんけどつくった。まねしたんとちゃうからな」
少しさびしそうに、そして笑い混じり洋一さんは話す。
これを聞いて、黙ったままではいられなかった。
「洋一さん。僕は、誰かの代わりでここにいるのはいやです。洋一さんのお友達として、 誰の代わりでもない、洋一さんを支えることができる人としてここにいたいです」
この想像は、きっと図星だ。だって、洋一さんが昔の友人のポジションに僕たちを当てはめてるということだから。
相手の心のうちを分かったように僕は話すけれど、洋一さんは黙ったままだ。
まずかったのだろうか、言ってしまっては。それとも、僕の想像は本当に想像で、違う理由でグループをつくったのだろうか。
重い沈黙がふすま越しに伝わってくる。
「ふっ...、やっと分かったわ」
ふすまを勢いよくあけると、洋一さんは笑って言った。
わけもわからず「はぁ...?」と頷く僕は、いかにも滑稽な顔をしているだろう。
用事も済んだので、みなさんに挨拶しようと、居間へ向かった。
廊下を進むにつれ笑い声やがやがやと騒ぎ立てる音がする。
ふすまを開けようとすると、
「!?真葉さん。リーダーと話、できました?」
驚いた様子で柊彩さんがいた。どうやら内側からも開けようとしていたらしい。
「ところで、先ほどから不思議に思っていたのですが、柊彩さんはどうして僕の用事が 洋一さんと話をすることだと分かったんですか?」
疑問を投げかけると、柊彩さんは少しがらにもないもじもじした様子で答えた。
「え、っと、みんな、皐月さんのLINE、見たみたいで、それで、説得、しようと...」
「だからこんなに...」
「はい。多分...」
居間を見渡しながら話すと、やっと洋一さんの笑いが理解できた気がする。
あんなに遠まわしに話さなくても、ど直球でよかったんだ...?