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「すべて、 (4月30日 18時)


終わったんだね」


↓にてコメ欄小説。
髪の塗り方変えてみたけどどうですかね?
作品のタグ:ROSA学園

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2016/2/5 19:59

企画参加
2016/1/2 14:15

まてっーー!
2015/12/29 21:42

企画参加
2015/12/29 17:41


コメント一覧

そう、すべては終わったのだ。

堕天使の襲撃が、終わったのだ。
昨日で、すべて。

ボスのヴァルもミィ先輩らが倒してくれ、ROSA学園には無事平和がおとずれた・・・。

といっても、堕天使たちはまだ牢屋の中だし、学校はズタボロ。穴が開いていたり、亀裂が入っていたり、燃えていたりと、戦いの傷跡が深く残っている。

堕天使の処分は、今日決まるらしい。

「(・・・けど・・・)」

もしも処刑などされたら、私のお姉ちゃんは・・・・。

罪を犯したから、確かに仕方がないんだけど、それでも私にとってはたった一人の肉親だ。大切に決まっている。
それに――――・・・・

「あの時のお姉ちゃんはもう、優しかったお姉ちゃんだった――――・・・」

そう、それは昨日にさかのぼる。

ハレル - 2013/04/30 18:25:06 違反報告 -



翼を広げ、大空をすごいスピードで駆け巡る。
私たち天使にとっては空も庭みたいなものだ。それなのか、空で戦っている人も多かった。
そんな人たちには目もくれず――いや、目もくれる時間もなく、私は戦っている人たちの間をすり抜けていく。
やがて、ピンクっぽい、紫の髪色をした女を見つけた。
紅い瞳、逆十字のそれに私と同じ、特徴的な耳・・・。

「お姉ちゃん・・・・」

私はそうつぶやき、姉――――――いや、もうそう呼べないだろう、『堕天使ユマ』をにらみつけた。

「久しぶりね・・・エマ。どう?天使の生活は楽しい?いえ、『楽しかった』?」

その声は、もとの声と一緒だ。
だけど、なんだか少し冷たいような気がするし、紅い瞳も暗く沈んでいるように見える。
ユマは、バッと両手を広げ、高々と笑う。

「もうすぐこの天使界は、終わるわ!私たち堕天使によってね!のうのうと生きている天使たちに・・・『罰』を与えなければ!」

「ユ・・・ユマには、何があったの・・・?」

昔は、こんな人じゃなかった。それに、恨むなら天使ではなく堕天使を恨むというのだろうに。

「―――ひどいわね、『お姉ちゃん』とも呼んでくれなくなっちゃうなんて!・・・まぁ、いいけど。
私は気づいたの。ヴァルに出会って。天使みたいにぼんやり暮らしているから弱くなる!堕天使た方がもっと強くなれる。
・・・そうすれば、エマ・・・あなたのことだって、救えたわ。この耳だってこんな風にはならなかったはずよ・・・」

そういってユマは、感傷深そうにに自分の耳を触った。

そう、私たち姉妹の耳は、堕天使に攻められたときにつけられた傷だ。
私たちの使用人も堕天していて、味方と見せかけ裏切られた。
その使用人が、ナイフを振り回すときにこの耳は裂けてしまったのだ。

今思うと、あれから私は他人を拒むようになったのかもしれない。

「強くなれば、仲間もできる!強ければ強いほど――――」

「ちがう!!」

久しぶりに大きな声を出した。いつぶりだろうか、こんな声を出すのは。

「ちがう・・・よ。強くなくても、仲間はできる・・・」

脳裏に、みんなの顔が浮かぶ。ジャンヌちゃんや、カナメちゃん、同室のみんな、ミィ先輩やガーナ君、ティーナちゃん、マカちゃん、ジアちゃん、それにアリス先輩・・・・。

大丈夫。私は一人じゃない。

「仲間がいるから、強くなれる・・・・!」

前を向いて、そういった。

ユマの顔は、驚きを隠せないような、怒っているような、何とも言えない顔だった。

「エマ・・・そんな声も出せるようになったんだ・・・。
じゃあ、見せて…その仲間の力、でも。
でもね、絶対そんなものよりも、私たちの力の方が大きい・・・そのこと、お姉ちゃんが証明してあげる。」

ユマの持っている鎖がしゃら、と揺れ炎をまとい始めた。

私も、風をまとい、呪文を呟く――――

「行くよ!」

そういって、ユマが黒い羽をはばたかせながら私に向かってきた。


ハレル - 2013/04/30 18:44:16 違反報告 -

「風よ!我に使えし闇と共に汝我の敵へとむかえ!」

ゴォッ!!

風が闇をまといユマへと向かっていく。
闇をまとうことにより、攻撃力も強くなる。それに速さだって上がるのだ。

「やるわね・・・!だけど、風は――――」

ユマが鎖を振る。
炎をまとった鎖はそのまま風の渦へとはいっていく。

「空気も入っている!この炎は、風では消えないわ!つまり、私の炎の『エネルギー』となるの!」

「そんなっ・・・!」

私の風を吸い込んだ炎は、ますます大きくなった。
かなり遠のいているのに、熱気がこちらからでも伝わってくる。

「どうすればっ・・・」

鎖は、私に向かってくる。
ガキィン、と自分のお腹にに鎖が当たった。

「熱っ・・・」

痛さと、熱さが一瞬遅れて体にくる。
苦痛に表情がゆがむ。
ヒリヒリと、お腹が痛んだ。

「水よ、我に従い友の手助けとなれ!」

「え?」

聞きなれた声とともに、水が鎖にかかる。
じゅうっと、音を立てて炎は消えた。
これは・・・

「カナメ先輩っ!?」

「姉妹というGLもありですが、萌えますが。
だけど、ケンカというヤンデレネタはあまり好みではありません。
エマちゃんを助けるために、私も協力しますよ」

「そんなっ・・・!」

カナメ先輩の姿はもう何人かの堕天使と戦ったのかボロボロだ。なのに、援助してもらうなんて・・・!

「大丈夫です。それに・・・」

「私が治癒するから!」

「ジャンヌちゃん!」

ジャンヌちゃんが、私の隣に飛んできた。そしてすぐさま私のやけどを治癒してくれる。

「いつもエマちゃんの怪我治してるから、大丈夫だよ!」

「ありがとうっ・・・・!」

心が、じんと温かくなる。
なんだか、絆って…仲間って不思議だよ。
自分が・・・強くなれるような気がする!

「風よ、もう一度我に力を与え、敵へとむかえ!」

「水よ、仲間の風に水をまとわせ敵へとむかえ!」

カナメさんの声もして、私の風に、水が混ざる。

「イッケエエエエエ!!」

カッと光が飛び散る。

魔力の限界を使い果たしたのか、くらりと意識が遠のく。
くらむ視界の中で、ユマの顔が見えた。
ユマは、昔と同じ、優しい笑顔で、こういった。

「強くなったのね。それに仲間もできて・・・うれしいわ」

ユマ―――ううん、

「『お姉ちゃん』っ・・・!」

お姉ちゃんの顔は、誰よりも美しい、天使に見えた。

そして、私は意識を手放した。
ハレル - 2013/04/30 19:03:01 違反報告 -
ハレル - 2013/04/30 19:26:57 違反報告 -
ハレル - 2013/04/30 19:32:23 違反報告 -
ハレル - 2013/06/12 21:09:08 違反報告 -
ハレル - 2013/06/12 21:10:25 違反報告 -

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