四国 3ﾎﾟｲﾝﾄ - カノモモ廃のお絵描き場所

「っぷはあっ！」
葉が深く生い茂った所から、一匹の化け狸が顔を出した。
こんな所に小さな体で、一体何をしているのか。
「うううう…妙薬…どこー…」
現在妖怪の中で噂されている「幻の妙薬」を探し求めているようだ。
緑色邪魔くさいの化け物から全身を出して、ととっと足を地に降ろす。

しかし、彼女の顔を見ると、あまり幻の妙薬を欲しがっているようには見えない。
確かに口では
「妙薬ー…妙薬ー…」
と呟いているのだが。
何を隠そう、彼女は別に幻の妙薬が欲しいわけでは無いのだ。
それなら尚更謎になってくるのが、幻の妙薬を探す行為になるのだが…
「妙薬を持っていけば、この場所で一番甘い栗を貰えるんだ……ええい、どこにあるのよ妙薬って！」
……どうやら、他の妖怪の手駒のようだ。
甘い栗に釣られて妙薬を探し回る手駒の手駒は、やはり子供だからだろうか、軽やかにそこらじゅうを動き回って捜索していた。
「幻の妙薬出ておいでー…」
小さく歌を口ずさみながら、まるで小さな人間の子のように。