斑 - Ƹ̴ӁƷ゜+*:.｡.*:+

雅にとっての死とは「目覚めることのない永遠の眠り」。

斑鮪にとっての死とは「目覚めることのない永遠の眠り」。

鞠にとっての死とは「唯一のしあわせ」。

出雲にとっての死とは「長い長い夢の終わり」。

斑は、無意識に緊張しながら最後の嘘をつきました。
それは自分の幸せのための嘘でした。
「これ以上関わらないでくれ」、と。
もう、覚悟は決めたんだ。

鞠は、震えないよう祈りながら最後の嘘をつきました。
それは自分が楽になるための嘘でした。
「今とても幸せだよ」、と。
本音は仕舞い込んだまま。

雅は、小さく笑って最後の嘘をつきました。
それは相手の幸福を祈る嘘でした。
「これ以上関わらないでくれ」、と。
・・・うまく笑えたかな？

出雲は、祈るような気持ちで最後の嘘をつきました。
それは自分が傷つくだけの嘘でした。
「世界で一番、大嫌い」、と。
胸の痛みは消えやしないな。

出雲は不思議な温室の中で､瞳を見開き横たわっています。辺りには植物の種が散乱し､白猫が見つめています。愛されたかったよね。またいつか。

鞠は血に染まった浴槽の中で､想い人のために横たわっています。辺りには何かの肉片が散乱し､鉢の中の金魚が見つめています。永遠にこのままだね。おめでとう。

斑は想い人の腕の中で､薄っすらと微笑み横たわっています。辺りには綺麗な小石が散乱し､黒蛇が見つめています。きっと天国へ行けるね。やすらかに。

雅は忘れ去られた旧校舎で､薄っすらと微笑み横たわっています。辺りには色とりどりな飴玉が散乱し､床に落ちた縫いぐるみが見つめています。愛されたかったよね。さようなら。

斑の亡骸から咲くのは夕闇色の花弁を持つ花。花言葉は「一生の愛」です。

鞠の亡骸から咲くのは落ち着いた赤の花弁を持つ花。花言葉は「愛の消失」です。

雅の亡骸から咲くのは月の光を溶かしたような色の花弁を持つ花。花言葉は「あなたを忘れない」です。

出雲の亡骸から咲くのは夜更けの空の色の花弁を持つ花。花言葉は「幸福を与える」です。

雅は妖精の羽を持つ者です

出雲は虹色の蝶の羽を持つ者です

斑は妖精の羽を持つ者です

鞠は機械の羽を持つ者です

鞠は自分のかけがえのない物を託してしにます、近くには嫌いな相手がいます。
鞠は自嘲気味に｢愛している｣と言ってその生を終えます。

斑は嫌いな相手と相討ちになりました、近くには愛する人がいます。
斑は自嘲気味に｢お前なんて嫌いだ｣と言ってその生を終えます。

雅は大事な人に存在を忘れられて独りになりました、近くには仲間がいます。
雅は笑いながら｢寂しいよ｣と言ってその生を終えます。

出雲は嫌いな相手を庇ってしにます、近くには愛する人がいます。
出雲は辛そうに｢過去に縋るな｣と言ってその生を終えます。

和泉は愛する人を生かすために犠牲になります、近くには誰もいません。
和泉は手を伸ばしながら｢どうか幸せに｣と言ってその生を終えます。

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依鈴にとって「手をつなぐ」ことは『最初の一歩は一緒に』という意味です。

百合にとって「手をつなぐ」ことは『最期のお別れ』という意味です。

雅の葬儀は蝉の鳴く夏の日に行われ､参列者は皆虚ろな瞳をしていました｡別れ花には忘れな草が贈られ､手作りの花輪も納められました｡全てを許す事が出来たね｡きっとまた。

鞠の葬儀は雨上がりの香りがする日に行われ､参列者は皆大粒の涙を流していました｡別れ花にはハナミズキが贈られ､古びた楽譜も納められました｡今まで辛かったね｡またいつか。

斑の葬儀は金木犀の香る日に行われ､参列者は皆仮面で顔を隠していました｡別れ花には菊が贈られ､親友からの手紙も納められました｡眠っているみたいだね｡さようなら。

出雲の葬儀は春の訪れを感じる日に行われ､参列者は皆無表情に佇んでいました｡別れ花にはキキョウが贈られ､恋人からの手紙も納められました｡幸せそうだね。きっとまた。

依鈴の葬儀は蝉の鳴く夏の日に行われ､参列者は皆無表情に佇んでいました｡別れ花にはアイリスが贈られ､恋人からの手紙も納められました｡もう楽になっていいんだよ｡ゆるしてね。

百合の葬儀は冷たい冬の香りがする日に行われ､参列者は皆無表情に佇んでいました｡別れ花にはシオンが贈られ､真っ赤な林檎も納められました｡寂しそうだね。またいつか。

色羽の葬儀はしとしと雨の降る日に行われ､参列者は皆静かに遺体を見詰めていました｡別れ花にはパンジーが贈られ､ほつれた縫いぐるみも納められました｡寂しそうだね。またすぐに。

紅葉の葬儀は雲の切れ目から光の差す日に行われ､参列者は皆静かに遺体を見詰めていました｡別れ花には紫陽花が贈られ､真っ赤な林檎も納められました｡今まで辛かったね｡さようなら。

蘭の葬儀は穏やかな陽の差す日に行われ､参列者は皆小さく肩を震わせていました｡別れ花には曼珠沙華が贈られ､古びた楽譜も納められました｡優しい夢をみてね｡ゆるさないよ。

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和泉は 「ぜーんぶ嘘。あれもこれも、全部。ね？だから早く嫌いになれよ、もう忘れちゃえ。それが一番正しいよ。」と握り締めた手に力を込めて掠れた声で言いました。

清水は 「さようならっていう言葉がこんな怖いものだなんて、昨日は知らなかったのになあ」と潤んだ瞳を歪ませて諦めたような声で言いました

鞠は 「恨んでる？嫌いになった？顔も見たくない、それは嬉しいね。望んだ事だよ。心から、望んだ事だ。」と潤んだ瞳を歪ませて囁くような声で言いました。

斑は 「今の気持ちなら君の事をちゃんと愛せる気がするよ …そうだね、遅いね。そんなの 遅すぎるね。」と唇を震わせながら呟くように言いました。

雅は 「こうすればまた笑いあえると思ってたんだ。そうしなきゃ壊れてしまうと本気で考えた。でも違ったね。2人にとってこの道は一番選んじゃいけなかったって、今更気付いたよ。」と潤んだ瞳を歪ませて呟くように言いました。

出雲は 「もう大丈夫 なにも怖くないよ ……うそじゃ、ないつもり。」と潤んだ瞳を歪ませて呟くように言いました。

あなたは『後悔なんてしてない、って言っても信じてもらえない』雅を幸せにしてあげてください。

あなたは『今ひどい顔してるんだろうな、って気付いて何とかしようと無理やり声を出して笑ってみた』出雲を幸せにしてあげてください。

あなたは『いつだって涙をぬぐってくれた手が、もう無くなってしまったなんて信じたくない』鞠を幸せにしてあげてください。

あなたは『好きだって本音を何とか声に出しても、返ってくる表情や声が怖くてすぐに冗談にしてしまう』斑を幸せにしてあげてください。

あなたは『この人との出会いは私にとって間違いなく奇跡だった。だからこれ以上を望んではいけない。と自分の気持ちを抑える』和泉を幸せにしてあげてください。

あなたは『この焦がれる程の想いも、いつかなくなる。心臓辺りの軋むような痛さも、じき治まる。あなたがそう言うのだからそうなのだろう。と自分に繰り返し言い聞かせる』椿を幸せにしてあげてください。

あなたは『この人に降りかかる不幸は全部自分が身代わりになろう、って思ってる』色羽を幸せにしてあげてください。

あなたは『待ってて欲しいと言えない意気地のない自分をいっそのこと忘れてほしいと思っている』蘭を幸せにしてあげてください。

出雲の罪は「過ぎた愛」と「堕落」です。その罪はやがて裁かれる時がくる。

雅の罪は「強欲」と「無価値」です。その罪を背負い続けるのがせめてもの償い。

斑の罪は「逃避」と「歪んだ愛」です。それでも誰かは斑を愛しつづけるだろう。

鞠の罪は「自虐」と「傲慢」です。その罪はなんのために犯されたものか。

鞠は想い出の降る丘がある世界で、その想い出を拾い売っています。愛されることに憶病で歪んだ心を大切にします。心についた傷は幼い恋心に触れることで癒されます。

斑は薄紫の海の世界で、目を閉じたまま、泡を言葉にしています。芯のある言葉の中には迷いをいくつも含んでいるようです。心についた傷は幼い恋心に触れることで癒されます。

雅は海と空の境界線にある世界で、未来をある本に綴っています。小さな希望を集めていつか幸せになることを願っています。心についた傷は魔法の本を読むことによって癒されます。

出雲は海と空の境界線にある世界で、未来をある本に綴っています。優しい言葉ばかりだとその言葉に棘を付けたくなることが。心についた傷は星屑の結晶によって癒されます。

斑を具現化すると紅色の小さな花。少し蒲公英に似ていて、スパイシーな香りがする。5月に花屋で見かける事がある。花言葉は「真面目」「愛を伝えて」「誇り」「天使」等。

雅を具現化すると赤色の派手な花。少し百合に似ていて、癒される香りがする。早朝に草原で見かける事がある。花言葉は「優雅」「束縛」「蝕む」「追憶」等。

鞠を具現化すると橙色の大きな花。少し紫陽花に似ていて、甘い香りがする。夕方に海辺で見かける事がある。花言葉は「優雅」「宿命」「蝕む」「瞳を奪う」等。

出雲を具現化すると金色の毒々しい花。少し朝顔に似ていて、穏やかな香りがする。秋〜冬に山奥で見かける事がある。花言葉は「慈愛」「許しを乞う」「嘲笑」「束縛」等。

出雲と好きな人を繋ぐのは赤いリード。どっちが主人かなんて、もうおわかりでしょう？相手に無理矢理つけられたもの。
中指と脚を繋いでいる。
それに込められた意味は「君は素直じゃないから」

雅と好きな人を繋ぐのは赤い鎖。お互いをがんじがらめにして離さない。あなたが無理矢理つけたもの。
手首と手首を繋いでいる。
それに込められた意味は「素直に言葉に出来ないんだ」

鞠と好きな人を繋ぐのは赤いロープ。肉体に食い込んでロープと同じ赤い痕を残す。お互い気づかぬ間につけていた。
首と首を繋いでいる。
それに込められた意味は「ほら、二人きり」

斑と好きな人を繋ぐのは赤いリボン。お互いを可愛らしく彩っている。あなたが無理矢理つけたもの。
手首と人差し指を繋いでいる。
それに込められた意味は「ごめんね、仕方ないんだ」

雅がついた３つの嘘。ひとつめは戦いたいと怒ったこと。ふたつめはキライと笑ったこと。みっつめは彼女と喧嘩して、大嫌いと言ったこと。

斑がついた３つの嘘。ひとつめは戦いたくないと怒ったこと。ふたつめは守るとささやいたこと。みっつめは君に泣き付いて、許さないと言ったこと。

鞠がついた３つの嘘。ひとつめは救われたいとささやいたこと。ふたつめは大丈夫と叫んだこと。みっつめは彼に泣き付いて、要らないと言ったこと。

出雲がついた３つの嘘。ひとつめは大丈夫と言い切ったこと。ふたつめはもう無理だと泣いたこと。みっつめは彼女と張り合って、大好きと言ったこと。

雅は『子供のささやき』と『誰かのIDカード』をよすがに失われた記憶を取り戻しますが、『共犯者の大切なもの』だけは永久に思い出すことができません。

鞠は『子供の泣いた理由』と『かすれた走り書きの謝罪の言葉』をよすがに失われた記憶を取り戻しますが、『恋人の吐いた嘘』だけは永久に思い出すことができません。

出雲は『恋人の呟いた言葉』と『丁寧にしまわれた走り書きの謝罪の言葉』を引き金に失われた記憶を取り戻しますが、『親友の好きな歌』だけは永久に思い出すことができません。

斑は『同僚の口癖』と『ぼろぼろの数字だけのメモ』を引き金に失われた記憶を取り戻しますが、『自分の誓い』だけは永久に思い出すことができません。